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■今の経済状況は1929年の世界大恐慌に匹敵する危機の水準にある…?!
柴山 桂太(しばやま けいた)滋賀大学准教授の著作『静かなる大恐慌』を読んだのですが、大変ショックを受けました。
僕は、今の時代はかつてないほどグローバル化が進んでおり、この流れは政治においても経済においても、どんどん加速していくと思っていたのですが、どうやらそうでもなさそうです。

書きたいことはたくさんあるのですが、難しい話をダラダラ長く書いても面白くないと思うので、特に気になった点を箇条書きでご紹介しますね。
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●リーマンショック以降の一連の危機は、従来の不況とは全く違う。
・本質的には今の経済状況は、1929年の世界大恐慌に匹敵する危機の水準にあると考えるべき。
・今回の危機は長期化する。
・回復する局面が多少あってもじわじわ下の方に引きずられていく。
・日本も1991年にバブルがはじけて事態が本当に深刻になったのは、6年後の97~98年。
・巨大なバブル崩壊による不況は、じわじわ来るのが特徴。
・そう考えると、今回の危機は米国で言うと、2014年頃からこそいよいよ深刻になっていく。
・将来の見通し、状況認識を間違えればすべてを誤る。
・日本政府や日本企業がこうしたシナリオを想定しているのか?
・戦略は政府も企業も個別の条件で考えればいい。
・しかし、大きく見て将来がどの方向に向かうのかという見通しを間違えたら戦略も何もない。
●グローバル化は民主主義と対立する。
・グローバル化は、国内産業と海外で活躍する企業、都市と農村、資産を持っている老人と仕事のない若者、といった具合に国内を不可避的に分裂する傾向に導く。
・そして、グローバル化が進めば進むほど、外に出られない人たちはグローバル化に反対する。
・今のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を巡る議論が好例だ。
・政府がやりたいと言っても、民主主義は議会政治。
・反対派が少数派であっても何らかの形で彼らの意見、主張を政策に反映させる必要が出てくる。
・大転換は、いわば自由化が行き過ぎたことに対する一種の反動、いわば振り子の反動として起きた。
・近代経済は常にこの二重運動の中で進んできた。
・極端に自由化を進めると、その反動として規制や保護を強化していく。
・そして、また自由化して競争する、という繰り返しとなる。
●19世紀はものすごい勢いで自由化に向かい、100年かけて振れていった。
・そのことが、第1次大戦後の崩壊を招いた。
・各国とも問題の解決を図ろうとしたが、結局、大恐慌をきっかけに極端な反動のほうに向かってしまった。
・自由化が仮に「経済合理性」だとすると、それに対する反動としていわば「社会の合理性」みたいなものがある。
・我々は生まれ持った家族とか共同体がバラバラになることには耐えられないし、今ある社会を守ろうとする。
・そこに人間の「生きる」という意味で、かなり重要な価値、プライオリティーがあある。
・そのプライオリティーの下での合理性を考えると、農業分野などでは政府に対して保護してくれという話が当然、出てくる。
●経済学者が考えるほど経済政策は合理的には実行できない。
・それはあくまでも非常にシンプルな仮定を置いたモデルの世界だからです。
・現実には政策の判断とか、人々の意思決定は、経済学者のような合理性では動いていない。
・これからは政治と経済の関係、社会と経済の関係をもっと考えていく必要がある時代に入った。
・戦前の恐慌に加えて、今回、再び恐慌が繰り返されたことで、グローバル化というのはやはり、「各国内に相当の反動を作り出す」というか、「続かないものである」という仮説の説得力を高めたのではないか。
●グローバル化は世界のパワーバランスも変える。
・グローバル化は国家間の関係を変える。それが各国間の対立にもつながっていく。
・第1次グローバル化の時代には、近代化で遅れていたドイツが輸出で急成長を遂げ、1910年代に英国をGDPで抜いた。
・軍拡も進め、海軍世界1位だった英国を脅かす存在となった。
・英国の経済・軍事的優位は失われ、欧州諸国のパワーバランスを変えたことが、潜在的に欧州情勢を不安定にし、第1次大戦へとつながっていった。
・この20年間のグローバル化の最大の勝ち組は中国。
・中国が今後、成長し続ける、もしくは成長しなくても軍事費を増やし続けるとなると、当然、何か起こる。
・最悪の場合、国家の衝突とか日中関係のさらなる冷却化という可能性があるわけで、こうなると不況という次元の話ではなくなる。
・経済だけに目を向けていればいいのではなく、外交、軍事、政治も含めてトータルに国が動く必要が出てくる。
・その場合、国民の優先順位を含め、相当先が見えなくなる。
・経済というのは大きな流れがあるので、過去の経験からある程度法則性を見出すことは可能。
・しかし、政治や外交は予測不可能です。
・つまり、波が静かな時なら日本企業はいくらでも冒険に出られますが、海が荒れ模様の時に冒険に出ていいのかという問題。
・しかも、成長余地のある途上国というのは、先進国と異なり、経済の危機が波及した時、政府が何をするか分からない。まったく予想できない。
・外資に対して厳しい規制を課したり、資産を国有化したりする可能性もある。
●世界がグローバル化したら、日本だってグローバル化せざるを得ない。
・ただ、今のグローバル化の流れは5年後か10年後かには必ず止まり、反転してくるということを頭に入れておく必要がある。
・日本は米国や欧州連合(EU)に比べ経済規模が小さい。
・それだけに自らが抱えるリスクを再認識し、考える必要がある。
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まさか今の経済状況が、1929年の世界大恐慌に匹敵する危機の水準にあるとは!!
Σ( ̄□ ̄;)
こりゃ本当に来年あたりからヤバイことになってきそうですね。
パワーシフトが目に見える形で本格化しそうです。
必要な情報を普段からしっかりと収集して、来るべき危機を乗り越える側の人間となっていきたいですね。
ではまた!
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